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「……本当だな!? 今更嘘とかいうなよ!?」
啓介の迫力に気圧され、ひるんでいる隙に、啓介はやや強引に誠の中に指を突っ込んできた。
「ひぐ……っ! おい、痛ぇよ……!」
童貞故の配慮の無さか、濡れてもいない秘所に指を突っ込まれ、誠は軽い痛みを覚えた。
「悪ぃ悪ぃ。無我夢中でさ。でも、本当に痛いのかよ、これ」
啓介の言わんとしている事は誠にも分かった。確かに最初の一瞬こそ痛みを感じたが、それは一瞬の事であった。
啓介の指の動きは確実に誠に快感を伝え、それを証明するかのように誠の秘所はグチュグチュと水音を響かせるようになっていた。
「なぁ、誠。気持ち良いんだろ? 童貞の俺だって、こんだけ濡れてればそれくらい分かるぜ」
「んな……わけねぇ……だろ……!」
息を乱し、途切れ途切れに反論するが、その言葉には全く説得力が存在しない。
感じている事を認めまいと、歯をくいしばってこらえてはいるが、秘所を濡らし、顔を紅潮させ、汗を表面ににじませながら、啓介の指の動きに合わせて身をよじる。
いくら声が出ていないとはいえ、これで感じていないなどという主張をして、通る筈がなかった。
「嘘ついてんじゃねぇよ。感じてないならなんだよ、この音」
その音を誠に聞かせるため、啓介は一層激しく指を出し入れした。
「ふあぁ! や……っ!」
思わずもれた声をごまかすため、口元に手を持って行ったが、啓介の耳にはしっかりと届いた。
「ほら、今の声。やっぱ感じてんじゃん。ほら、ほら」
「ふぁ! あぅ! やっ! やめっ!」
誠の反応が面白くて仕方無いのだろう。啓介は、あらん限りの力を指先に込め、誠の中をかき回した。
それでも、誠はもはや一切の痛みを感じる事無く快感に身を委ねていた。
そしてそれは、さっきまで必死にこらえていた声を臆面もなくさらしている様子からも感じ取ることが出来た。
「すげぇな、誠。まさかここまで感じるなんてさ」
誠にとってもそれは予想外であった。
誠が今まで経験した女でこんなに乱れた女はいなかった。ましてや、こんな乱暴な触り方で――。
「調子……乗ってんじゃねぇよ!」
必死の力を振り絞り、誠は啓介を自分から引き剥がした。
「……ったく、触り過ぎだ!」
勿論、誠が引き剥がしたのはそんな事が理由ではない。自分が快感に溺れていたのを啓介に悟られまいとしての反抗であった。
そしてその事実が、次の誠の行動を後押しする事となった。
「啓介……。特別だ。服脱いで仰向けになれよ」
「え……?」
「嫌ならヤメにするぞ?」
本音を言えば、やめたくないのは誠の方だ。しかしそれは誠のプライドが許さない。そして、そう言えば啓介は乗ってくるだろうと確信しての発言だった。
「や、やるよ! マジで頼むよ!」
予想通りの返事に誠は心中で苦笑いをしていた。
「ったく、分かりやすい奴だな。あぁ、そうだ。コンドームは?」
「そんなんある訳ないだろ……。使うアテもないのに……」
その返事に誠は頭を悩ませた。薬のラベルに書いてあった注意事項が頭をよぎったのだ。
「……なんだよ。ゴムないとやばいのか?」
「ここ、読んでみろよ」
「えっと……。性交渉自体は問題ありませんが、その際、中に出してしまうと一ヶ月程度元に戻れません。ご注意ください」
啓介の顔に陰りが見える。せっかくの童貞卒業のチャンスが不意になったと思っての事だ。
しかし、啓介にとって予想外の言葉が、誠の口から飛び出してきた。
「……絶対外に出す、って約束できるか?」
「……え?」
一瞬聞き間違いかと思った啓介の顔は、ポカンと口をあけ、傍目には実に間抜けに見えた。
それほどに予想外の言葉だったという事なのだろう。その表情は、十秒近くも続いたようであった。
「や……やばくないか?」
確認の質問にも、疑いのニュアンスが含まれている。これまでの誠の抵抗を思えば、当然であろうが。
「んだよ。俺が良いって言ってんだろ。不満ならやめれば良いだろうが」
体の疼きを我慢しきれず、誠は苛立ちを露わにしていた。本当なら、今すぐ自分の指で体を慰めたい。乳首をつまみ、股間に指を突っ込み、クリトリスに指を這わせながら、恥も外聞もなく、喘ぎ、感じられるだけ感じてみたい。
女の体には、それだけの魅力が詰め込まれていた。
外にさえ出してもらえれば、安心して快感に浸れるのだ、という、甘い考えに支配されるほどに――。
男である啓介にはその感情は分からない。ただ、さっきまでの誠と違い、今なら確実にやらせてくれそうだという事だけは理解できた。
「い、いや、やるよ! やるに決まってるだろ!」
少し前まで、自分が誠をからかっていたのに、いつの間にか命令される立場に――。そんな唐突な逆転が実に奇妙に感じられた。
啓介は、誠に言われるがままに裸になり、床の上に仰向けになった。その股間は、先程の行為の興奮によるものか、それとも、これから行われる事への期待からか、誠を呆れさせる程に固く大きく膨らんでいた。
「ったく、しょうがねぇなあ。なんだかんだ言ってやりたかったんじゃねぇか」
誠の言葉の裏には、ちょっとした虚勢が込められていた。経験上、女のそこが男を飲み込む事が出来るのは理解していたが、それでも、自分の中にそれほどの太さのものが入っていく事を考えると、少なからず不安がわいてきたのだ。
それは、啓介のモノが、自分のモノよりも一回りも大きかった事も、理由の一つかもしれない。
「ほら、見ろよ、啓介。お前がさっき好き勝手にいじったせいで、こんなに濡れてんだぜ……」
誠は、啓介の顔の上――鼻先に股間を寄せ、二本の指で左右に広げてその場所を見せつけた。
誠のそこは、滴るほどに粘液を溢れさせており、言葉にしなくとも興奮している事を啓介に伝えてきた。
「わ、分かったから、早くやらせてくれよ……」
目の前のあまりに刺激的な光景といやらしい匂いに、啓介はその欲求を隠す事が出来なかった。
「焦るなって。物事には順序ってのがあるだろうが」
これから自分がその言葉を言うと、どれほどの快楽が流れ込んでくるのか。不安と期待を入り混じらせながら、誠は一言だけ呟いた。
「……舐めろよ」
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