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喫茶ま・ろんど

TSFというやや特殊なジャンルのお話を書くのを主目的としたブログです。18禁ですのでご注意を。物語は全てフィクションですが、ノンフィクションだったら良いなぁと常に考えております。転載その他の二次利用を希望する方は、メールにてご相談ください。

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ゆでたまっ!二個目 かべのなかにいる4(了)

 せっかくの発掘道具をこんな形で使う日が来るとは夢にも思わなかった。
 とはいえ、どうせ日本に戻ってきてからはまともに使っていない。こんな事にでも使ってやらないと道具が傷むというものだろう。
 ……そう思い込もうじゃあないか。


「待たせたな、彰。今、壁を壊して――」
 ……壁向こうから彰の独り言が聞こえる。
「……っへっへ。甘露甘露。お嬢ちゃんのおしっこは実に甘くておいしいねぇ。『やだっ、やめてっ。耕也、助けてぇ』おやおや? この粘りはおしっこじゃない……ねぇ。いやらしい子だ。これはお仕置きが必要だな。ほぉら、おじさんの暴れん棒で虐めてあげようねぇ」
 ……帰って良いですか?
「『待って! せめて後ろの穴で……。前は耕也のために』こんなに濡らして、何が嫌だと言うんだい? ほら、正直になりなさい。『あぁーっ。か、顔も分からない男の人に初めてを捧げるなんてぇ……』こんなところで壁にハマっているお嬢ちゃんがみーんな悪いんだよぉ」
 ……楽しそうだなぁ。
「ほらほら。嫌なら逃げれば良いじゃないか。逃げないって事は好きなんだろう。『やだやだやだやだ、動かないでぇ! 誰か助けてぇー!』げっへっへっ。嫌だと言いながら体は随分と正直に……。随分とグチョグチョじゃないか。『嫌なのに、本当に嫌なのに……なんで僕の体気持ち良いのぉ……』」
 ……俺、何してるんだろう。
「ほぅら、出すぞ! お嬢ちゃんの中に、おじさんのホットミルクを出すぞ! 『え!? やだ! やだぁ! 中に出さないでぇー!』」
「……彰、ホットミルクは無いと思うぞ」
「ふぁえ!? やだぁ。いつから聞いてたの? 恥ずかしいなぁ、もう」
 そうだな。本当に恥ずかしいな。
「まったく、お前の自由さが羨ましいよ」
「えへへー。耕也が羨ましいって言ってくれた」
 ……褒めてないからな?
「とにかく、腹も減ってきたし、とっとと終わらせるぞ」
「あ、うん、そうだね。そういえばもうお昼過ぎてるし……」
「あぁ。終わったらとりあえず飯、食おうぜ」
「うん。僕も今日はお弁当だし。楽しみだな☆」
 ……ん? 彰のカバンに弁当なんて入ってたか?
「……なぁ、彰。お前の弁当って……何?」
「あれ? さっき見なかった? 蜂蜜が入ってたじゃん」
 ……頭の中で不吉な二つの点が結ばれようとしている気がする。
「その蜂蜜を耕也の肉棒に垂らして、味わう予定なんだよ☆」
「………………」
「………………あ……え、えっと……だ、だめ?」
 なんでOKが貰えると思ったんだ、オノレは。
「そうかー。彰の昼飯は蜂蜜かー」
「う、うん、そ、そう。その、蜂蜜を」
「そんな面倒な食べ方する事無いだろー。ほら、俺が今から食べさせてやるよ」
 カバンから蜂蜜のボトルを取り出す。なかなかの重量感だ。
「え? で、でも、今はこっち――はぅあ!?」
「遠慮するなー。ほら、おいしいかー?」
「お尻の! お尻の穴にドロドロがぁ! 新境地に目覚めちゃうぅ!」
 コイツはどこまで無限の可能性を秘めているのだろうか。
「うむ。ボトル一本400cc。おいしかったか?」
「さ、流石の僕も……それは……無い、です……」
 よし。ようやくコイツも反省したようだ。
 ……というか、ここまでしないとダメなのか、コイツは。

「さて、危ないからじっとしてろよ。……あと、妙なボケをかますと手元が狂うから、気をつけろ」
 ……まぁ、どうせボケるんだろうけどな。
「言われなくても、今はお尻がのっぴきならないので……」
 そうか。蜂蜜って意外と便利なんだな。常備しておいた方が良いだろうか。

 辺りに壁を打つ乾いた音が響く。最初のうちはぐったりしていた彰だったが、蜂蜜を吸収したのかそれとも慣れたのか、音に合わせて尻を振りだしていた。
 ……コイツに弱点は無いのだろうか。
 というか、気が散って集中できん。話でも振って尻から意識を逸らすか。一度聞きたい事もあったしな。
「……そういえば、彰」
「ん? なぁに?」
「前から気にはなってたんだが、お前、どうやって女になったんだ?」
「あれ? 知りたいの?」
「そりゃあな。人外な事実だし、正直かなり気になる」
 俺が女と間違えて告白したのが一年と少し前。あの時は間違いなく男だった。
 それが、突然女として転校してきたのだから全く意味が分からないというものだ。
「そうだなぁ、一日耕也の肉棒を好きにさせてくれたら、考えなくもないかな」
「あ、じゃあ良いわ」
「即答!?」
 悩む理由が分からん。
「うぅ……寂しい……。でも仕方ないなぁ、教えてあげるよ。あのね、悪魔を召喚して、願いを叶えてもらったんだ」
 ………………は?
「あ、信じてないでしょー? 壁越しでもそれくらい分かるよー」
「いや、信じるよ。お前は、ボケは言っても嘘はつかないもんな。それくらは俺も知ってる」
「えっ。あ……うぅー……」
 何か返答に困らせるような事を俺は口走ってしまったらしい。良く分からないが。
「よし、だいぶ穴も広がった。もう抜けられるだろ。ほら、引っ張るぞ」
「あぁ、あの時のゆで卵の気持ちが分かるよー!」
 ……まぁ、お前がゆで卵レベルなのは敢えて否定せんがな。

「ったく、しかし、本当に何でこんな穴をくぐろうとしたんだ?」
「んっとね、この穴の先に花壇が見えてさ。少し摘ませてもらおうかな、って思ったんだ」
 なんと、コイツにそんな女みたいな一面があったとは。
「で、耕也に『どっちの花びらが良い?』って聞こうかなぁと思って。きゃ☆」
 ……台無しだ。
 ん? っていうか、ちょっとおかしくないか?
「というか、人んちの花壇から勝手に花を摘んだらいかんだろう」
 いや、違う。何かその突っ込みは的確じゃあない気がする。なんだろう。
「え? だって、穴の先から女の人が言ってくれたんだよ? 良かったら何本かどうぞ、って」
「………………」
「で、さっきの通り引っ掛かっちゃってさ。その人に助けてもらおうと思ったのに、いつの間にか居なくなってて。暫く大声で呼んだんだけど戻ってきてくれないから耕也に電話したんだ」
 ちょっと待て。本気でちょっと待て。
「……なぁ、彰。花壇ってどれだ?」
「え、ほら、この穴から覗いて真正面に……あれ?」
「雑草が茂ってるな」
「あれー? おかしいなあ。すごい綺麗な花壇が見えたのに」
「そ、そういえば、電話七十件にメール四十件はないだろう。おかげでバッテリーが切れちまったんだぞ」
 話を逸らすんだ、耕也。これ以上この話題に突っ込んではいけない。
「え? そんなに連絡してないよ? メールは確かに三十九件送ったけど、耕也、三十二回目で電話出てくれたじゃん」
「………………彰、お前、俺と機種同じだったよな。ちょっとバッテリー貸してくれ」
 彰がキョトンとした表情をしている。俺も内心は相当キョトンだ。
「えーっと、着信履歴が……。彰、彰、非通知、彰、彰、非通知、非通知、彰、彰、非通知、彰、非通知、非通知……」
 ………………。
 学校では気付かなかったが、非通知の相手から留守電が残っている。……聞いた方が良いんだろうか。
 ぴっ。
「……うちの庭で変な子が卑猥な独り言を言って困っております。しきりにあなたの名前を呼んでいるので、早く連れて行って下さい。仲間にするつもりでしたが変態は要りません。それでは失礼します」
 ………………。
「なぁ、彰、この家の事、知ってるか?」
「え? 知らないよ? 僕、まだこの街の事あんまり詳しくないし。すごい立派……ってあれ? こんな汚なかったっけ」
 そうかぁ。レイプ犯どころか、幽霊すらもドン引きするのか。すごいなぁ、彰は。
「あ、ちょ、ちょっと耕也、待ってよー! 僕も帰るよー!」
 ははは。はーぁ……。何でこんな奴に惚れちまったんだろうなぁ、全く。

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コメント


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彰ってオカルト趣味だったとは。
しかし幽霊すらも嫌がるとは稲川淳二もびっくり^^;
前回ほどの強烈なオチはないですけど、
面白かったです。

そしてこのバカップルに幸あれ。

もあ | URL | 2009-05-20(Wed)22:24 [編集]


>もあさん
コメントありがとうございます。
いささか、前回のオチが強烈過ぎたか、と反省しております。
おかげさまで、自分自身もパンチが弱いと思いつつも、
その壁を越えられずに苦労しておりますw

私自身は、この二人が不幸になる様子が想像できないので、
その点は安心していただければ、と思いますw

まろんど | URL | 2009-05-21(Thu)22:36 [編集]