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喫茶ま・ろんど

TSFというやや特殊なジャンルのお話を書くのを主目的としたブログです。18禁ですのでご注意を。物語は全てフィクションですが、ノンフィクションだったら良いなぁと常に考えております。転載その他の二次利用を希望する方は、メールにてご相談ください。

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童貞喪失物語4(了)

「さ、上と下、どっちが良い?」
「は?」
 何の事か分からず、達也が間の抜けた言葉を返す。
「はい、時間切れ、俺が上な」
 そう言うと、達也の同意は待たずに、透は再び腰の上へとのしかかった。
「え、あ、ちょっと待って。まだ覚悟が」
「覚悟? こういうのは思い切りが大事なんだよ、こんな風に……な」
 良い終わるが早いか、透は腰を下ろした。
「うぉ……!」
 同時に、達也のペニスが温かい感触に包まれる。温かいだけではない。絡みつき、締め付け、滑り、その刺激の全てが想像以上の快楽を伝えてきた。
「ほい、童貞喪失おめでとさん」
 と笑顔で言われるが、あまりの気持ちよさに心を奪われ、達也は返事をする余裕が無い。
 すぐにイってしまわないよう身体全体に力を入れながら息を荒くする達也の姿はいかにも余裕が無い様子だ。
「あ、そうそう。分かってるだろうけど、中には出すなよ」
「お、おお」
 その返事は、果たして返事なのかそれとも快感を堪えての呻きなのか、判別できない。その様子に透は、少しだけ不安を覚えたようだった。
「ま、俺が上なんだから、イきそうになったら抜けば良いだけだな。さて、動くぞ」
「うぅ……!」
 透も女としては初めてのセックスだ。慣れないながらも器用に腰を振るが、その動きはぎこちなく、決して滑らかとは言えない。女性経験の豊富な男を相手にすれば、間違い無く物足りないと言われる動きだろう。しかし、何もかもが初めての達也にとっては、素晴らしいとしか言いようのない感触であった。
「ん、ん、ん……。へへ、どうだ。感想くらい言えって」
 透は、腰を振りながら促す。しかし達也は答えない。鼻息を荒くしながら歯を食いしばるばかりだ。
「……ったく、仕方ねえな」
 ぴた、と透が腰の動きを止めた。かと思うと今度はそのまま倒れ込み、体重を掛けながら達也の背中へと腕を絡めた。
「え、あ、お……」
 柔らかい感触に、達也はさらに緊張する。ただでさえ高鳴っていた鼓動が、その激しさを増した。
「ほら、聞こえんだろ」
 そう言われ、何のことかと達也は考えた。そしてすぐに、それが透の鼓動のことだと理解した。透の鼓動は、達也のそれ以上に激しく響いていたのだ。
「俺だって女としては初体験なんだから、緊張してんだよ。あんまテンパってないで、ちっとは男らしくリードしてみろよ。ま、中身だけ見れば男同士だけどな」
 透の様子に、達也はようやく、しかし急激に心を落ち着かせた。そうしてよくよく見てみれば、透の声も、そしてピッタリと触れ合っている身体そのものも、全てが小さく震えているのが感じ取れた。むしろ、今までどうして気付かなかったのかと達也は自分が不思議で仕方が無かったぐらいだ。
 しかし、そのことを知っても、どうしても達也には分からないことがあった。それは、何故透がここまで自分に対して尽くしてくれているのか、だ。
 透の話しぶりや態度から察するに、ナントカ腺液云々いう話がどうやら嘘らしいことは理解できた。しかし、そもそもなんでそんな嘘をついたのか、それがさっぱりわからないのだ。
 結局ほんの数秒悩んだ末、親友である俺が童貞なのをそこまで心配してか、あるいはせっかく女になったのだから女の性を堪能してみたいと思ったか。きっとその両方なんだろうな、持つべきものは親友だ。
 などと見当違いな結論に達し、一人心の中で納得をした。
「ほれ、もっかい聞くぞ。どうだ。童貞喪失の感想は」
 と言って透はその身を起こす。先程は夢中で気付かなかったが、透が抱き付いたときにどうやらペニスが抜けかけていたらしく、拍子にズルリと根元まで押し込まれた。
「うぉ、気持ち良……」
 と言って身を震わせる。それを聞いて、透は満足そうな笑みを浮かべた。
「そうかそうか、気持ち良いか。じゃあこういうのはどうだ」
 透は動かない。動いていないが、ペニスの触れている膣の内壁だけがウネウネと蠢き、更に締め付けペニスに刺激を伝えてきた。
「うぁ……それも気持ち良い……」
「そればっかりだな。もっと気の利いたコメント無いのかよ」
 と言われても、達也にはそんなものを考えている余裕はない。イくのを我慢するので手いっぱいなのだ。余計なことを考えて気を抜くと、この素晴らしい時間があっという間に終わってしまう。それがもったいなくてもったいなくて、達也は必死に堪えていた。
「ふう、俺ばっかり動くのも疲れるな。おい、お前も動いてみろよ」
 透が腰を振っていた時の前後に擦られるような刺激も、膣に力を入れた時の蠢き締め付ける感触もピタリと止まる。
 それは正直、少し残念なことだったが、それ以上に、イかないように堪える必要が減るという点で、達也にとってはとてもありがたいことでもあった。
 しかし、ここにきて新しい問題が発生している。
「動く。……ってどうやれば良いんだ」
 童貞らしいもっともな悩みだ。正常位なり後背位なりの腰を振りやすい形であっても、未経験の達也にとってはどうして良いか悩むところだろう。それが今は騎乗位の形だ。動かし方など想像もつかない。
「どう、って言われてもなあ。取りあえずそのまま腰振ってみろよ。ブリッジする見たいな感じで」
「ブリッジ……こう、か」
 達也が腰を逸らすと、既に根元まで入っていると思っていたペニスが、さらに奥まで押し入っていくのが感じられた。
「くぁ……! 奥に当たる……!」
 透が身体を丸めながら呟く。言われてペニスの先端に達也が意識を向けると、なるほど確かに、先端が何か壁に押し当たっているのが感じられた。
「ほら、止まるなって」
 切なげな透の声に、達也ははっとする。
「あ、ごめん、えっと、こんな感じか」
 と言って今度はゆっくりと腰を引く。すると、小さくくちゃリと音を立てながら、ペニスが少しずつ透との結合部から出てくる様子が目に見えた。それが、自分が今目の前の少女――透と確かに繋がっているということを実感させ、達也を興奮させた。
「あぅ!」
 ペニスの三分の二程が外に出たところで、達也が再び腰を反らせる。それに合わせたかのように透が声を張った。
 達也は、なんとなくながらも腰の動かし方を理解しつつ、透に嬌声を上げさせたことが嬉しくなり、徐々に出し入れの速度を速めて行った。
「ん、くっ、あうっ、あっ、あっ、あっ」
 達也が腰を振るたびに透は声を上げる。肌に段々と汗がにじんでいく様子からも、昂っているのだろうことが感じ取れる。
 もっと感じさせたい。
 そう考えた達也は、寄り刺激を強めるためにと、一層腰の振りを早くしていった。
 が、その時。
「……と、あれ」
 腰を大きく引きすぎたために、ペニスが完全に抜けてしまった。そこでようやく達也は、自分が童貞であることを改めて自覚し、慣れないことであるのに調子に乗りすぎたことを反省した。
「気にすんなよ」
 小さく落ち込んでいるところに、艶を帯びた透の声が耳に入った。
「最初はそんなもんだって。失敗しながら、どうすればいいのか覚えるんだよ。気にしないで好きなように動いてみろって。その、えと」
 不意に透が言い淀む。
「今の、気持ち良かったから、さ」
 透が黙りこむ。数秒の間をおいて達也が、透の言葉の意味をゆっくりと認識すると、妙に嬉しい気持ちが心に広がり、無自覚に表情をにやけさせた。
「笑ってんじゃねぇよ。ほら、再開するぞ」
 と言いながら透が達也のペニスを掴む。そして、再び先程と同じように達也のペニスをその体内へと挿入させた。



 好きなように動いていい、という言葉に達也は随分とリラックスできた。気持ちを落ち着け、色々と動き方を試す。ゆっくりと腰を前後に振ったり、左右に腰を捻り膣の中をかき回すように動かしたり、抜けないように気を付けながら、小刻みに出し入れを繰り返したりと。
 腰がスムーズに動かせるようになると、今度は、どの動かし方をすれば透が気持ちよさそうに声を出し、身体を震わせるかということにも気が回るようになった。
 そうして透の快楽のポイントを学ぶと、今度は、腰を動かしながら透の胸を揉んだり、腕を引いて抱き寄せ、体を密着させながら舌を絡めたりといったことにも気が回るようになっていった。
 身体を密着させ、透を抱きしめながらの行為が、達也は一番気持ちが良かった。身体が密着し、肌の感触が伝わるのも心地が良いし、ペニス自身も、密着していない時に比べて先端が強く擦られるような感じがして、堪らなく気持ちが良かった。
 それは透も同じのようで、例えば火照った身体を少し冷まそうと、達也が一旦密着を止めようとすると、透の方から力強く抱きしめ返してきて、離れるのを拒否するのだった。
「あ」
 と二人の声が揃う。また、ペニスが抜けてしまったのだ。
 今度は、達也が自分でペニスを握り、透の膣口に押し当ててすぐに挿入し直した。そうして再び腰を動かすが、またもすぐにペニスは抜けてしまった。
「あんまり動くなよ、透」
 原因は、それまでほとんど達也に任せていた透が、達也に合わせて腰を振っていたためだった。そのせいで、達也が残しの動きと噛み合わず、ペニスが抜けてしまったのだ。
「しょうがないだろ、動いちまうんだよ」
 と囁く透の声は、更に切なさを増している。
「なあ……俺、イきたいからさ、ちょっと好きに動いていいか」
 と、透が続ける。そうして、達也の返事は待たずに、密着したままその腰を器用に動かし始めた。
「あ、凄っ、あっ、あっ、良い、あっ」
 達也のペニスに、前後に擦られるだけでなく、ヒクヒクと蠢くような感触が伝わってくる。先程、指でイかせた時と同じような感触だ。それはつまり、透が絶頂に達しようとしているのだということを意味している。
 そしてその感触の気持ちよさに、達也もまた、射精感が限界に達していることを感じていた。
「くあぁ……!」
 達也より一歩早く、身体を震わせながら透が絶頂に達した。そして、急速に身体を脱力させ、腰の動きを止めてしまう。
「透……俺も、イきたい」
 今、このタイミングで射精すれば体験したことのないような快楽を得られる。そう思った達也は、透の尻を抱えてこれまでにない激しさで腰を振り始めた。
「あっ、駄目! イってすぐは……!」
 と僅かに透が身をよじるが、全く意味を成さない。
「やっ、あっ、ちょっ、止ま……って!」
 息も絶え絶えに透が抗議する。しかしそれもやはり達也の耳には届いていなかった。
「あっ、うっ、あっ、そ、外に出せよ」
 達也の動きが止まらないだろうと諦めたのか、透は脱力した身体で先に言った注意を改めて確認した。
 しかし、その言葉もやはり達也の耳に届かない。
「く、うぅ!」
 呻きを上げながら達也は、無我夢中で透の腰を掴む。そして、透の指示とは全く逆に、今までで一番深い位置まで一気に突き入れた。
「うぁ!? ちょ! 抜けって!」
 透は慌てて立ち上がろうとするが、イった直後で力が抜けているのと達也の腕力に抑え込まれているのとで、全く身動きが取れない。
「うぁ! 出てる! 出てるぅ!」
 達也がペニスを痙攣させながら射精するのに合わせ、透は声を上げた。



「馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! この馬鹿! 馬鹿!」
「悪かったって! 夢中だったんだよ! 悪かった!」
 ひたすらに罵る透に対し、達也は土下座してひたすら謝りつづけた。
「悪かったですむか! 外に出せって言ってただろうが! ああもう、しかもこんなにアホみたいに出して……。こんなことになるならちゃんとゴム付けておけば良かった……」
 足をМ字に開き、股間からドロリと流れ出る精液をティッシュで拭き取りながら透が嘆く。
「なあ、その、やっぱりあれか。妊娠とか……」
 達也が恐る恐る質問する。
「するよ。排卵も確認してるしな」
 その言葉に、達也は一層申し訳なさそうに頭を床に擦りつけた。
「あー。良いよ。出しちまったもんは仕方ない。それに、どうせ妊娠と出産も体験する必要があったしな」
「へ」
 間抜けな声を上げながら、達也が頭を上げる。
「その辺の機能も正常に働くかどうか、確かめる必要があるんだよ。ただ、問題はアレだ」
「問題?」
「言ったろ。体格年齢性別の違う複数の人間に同じ遺伝子を組み込んだ際に、その肉体構成にどの程度の差異が発生するかどうかの実験だって」
 達也は、なんとなくそんなことも言われたかな、そういえば。程度にぼんやりと思い出す。混乱していたタイミングで話されたことだから、正直なところはいまいちあやふやだ。
「それがどうしたんだ」
 と気の無い返事をする達也に、透は少し不機嫌さをにじませた。
「あー。だから、この妊娠及び出産も、同一の相手で確認しなきゃいけないんだよ。違う男を相手に妊娠したら分からなくなるだろうが。まあ、事情を説明すれば、お前をその対象にってことで許可は貰えると思うが」
 なるほど、と達也は納得する。それはつまり、他の実験者を相手にセックスをする必要が生まれた、ということだ。
 しかしそれがどうして問題になるのか。達也にはいまいちピンと来なかった。むしろ喜ばしい事にすら感じられる。
 そんな達也の様子を察したらしく、透は、ひと際苛立ちを強めて言った。
「良いか、他の相手は絶対に一発で孕ませろよ。二回も三回もやるんじゃねぇ。分かったな!」
「は、はい」
 迫力に気圧され、思わず理不尽な命令に返事をしてしまったが、やはり意味は理解できないまま、達也は、返事に対して満足そうに微笑む透の表情をしばらく眺めていた。

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