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元男、つまり現女である彰が俺の前で下着を脱いで股を開いて寝そべっている。その刺激的な光景に、正直俺の理性も息子も暴発寸前だ。
「ねぇ、まだぁ? 早くぅ……」
「妙な言い方をするな。ちょっとトイレに行ってくるから待ってろ」
「何? 興奮しちゃったから一発こっそり抜いてくるとか?」
……図星を突かれた。コイツのこういう妙な勘の良さがたまに嫌になる。
「別に……耕也になら押し倒されても構わないんだぞ☆」
こいつ、マジウゼェ……。
「それに、初体験だけど、正直そうなる覚悟はしてきたから……」
お前の初体験はゆで卵だろうが。
いかんいかん、コイツの話を聞いていると頭が痛くなってくる。しかしまぁ、逆に、コイツ相手にさっきまで興奮していたのが虚しく思える程度には落ち着いてきた。
コイツの性格もたまには役立つのだな。もちろん褒めてはいないが。
「よし、じゃあ始めるぞ」
「うん、優しくしてね♪」
無視だ無視。
落ち着いてきたとはいえ、流石に目の前の光景を凝視するとまた興奮しそうだ。俺は頭の中に数式を浮かべながら、その、卵が飲み込まれたという場所にゆっくりと中指を差し込んでいった。
「んぅ……っ」
指先に、ヌルリとした感触と想像以上に強い締め付けを感じる。
「そんな……激し……っ」
そのあまりの締め付けに、本当に卵のような大きなものが入っているのか疑問に思えるほどだった。
「感じちゃうよぉ……」
いや、卵どころか、この指一本ですら、入っているのが不思議なくらいだ。
「うあぁ。耕也、上手すぎるよぉっ」
………………。
「すごい、イク! もうイッちゃう!!」
「……ガムテープとホッチキス、どっちが良い?」
「選択肢がおかしいよ!? 何その猟奇的な彼氏!!」
俺は彼氏じゃあない、というのは突っ込みとして間違っているだろうか。
「指半分しか入っていないのに騒ぐからだろうが。文句があるなら大人しくしてろ」
やや不満そうな表情が見て取れたが、改めて指を差し込むと、今度は黙って受け入れた。
もしや、俺は本気でそんな事を実行する人間だと思われているのだろうか……。少し心配になる。
ようやく指を深く差し込むと、先端に、明らかに異質のツルっとした感触が感じられた。
「お、見つけた。これか……」
指先を曲げ、卵をひっかけるようにしてかきだそうとするが、ツルツルとした感触のせいで、どうにもうまくいかない。
苦労の末、うまく引っかかるポイントのようなものを見つけたが、やはり締め付けのせいか卵をかきだそうと力を入れると、今度はひどく歪むのが感じられ、中で崩れてしまいそうな不安を覚えた。
「うーん、困ったな……。おい、彰……」
ふと顔を上げ彰の方を向くと、ひどく顔を上気させ、息も荒くしていた。
「ど、どうした、大丈夫か? 彰」
「え? あ、ご、ごめん。大丈夫……」
明らかに憔悴しているような様子で、とても大丈夫とは思えない。
「本当に大丈夫か? 息も随分乱れてるじゃないか」
「大丈夫だって。そ、その……。ちょっと本気で感じちゃっただけ……」
語尾は聞き取れなかったが、言いたい事は察する事が出来た。言われてみれば、指先に感じられるぬめりが、明らかに最初のころよりも増えている。
「あ、そ、そうか。ご、ごめん」
先ほどまでの冗談と違う雰囲気にこちらも妙に気まずくなってしまう。
場にもまた妙な沈黙が流れ、気まずさを加速させる。
「あ、あのね、耕也……」
先に沈黙を破ったのは彰だった。どうして良いか分からなかった俺は、正直ほっとした。
「ど、どうした?」
「そろそろクリの方もいじって欲しいかなぁ、って……。きゃっ☆」
「………………」
「………………耕也?」
「ム○を塗れば良いか?」
「○ヒ!? 何プレイ!?」
「まぁ、遠慮するなよ。せっかくお前からのリクエストなんだ。喜んでやってやるとも。」
「え、ちょ、ちょっと。何で既に持ってるの? その用意周到さが分からないですよ?」
ピトッ(※真似しないでください)。
「ひあうっ!?」
おぉ、彰がビクビクしている。すごいな、ム○。これで少しはこりただろうか。
というか本気で痛そうだ。まだビクビクしている。流石にまずかったのだろうか……。
――五分後――。
「……いや、正直すまんかった」
「耕也の馬鹿! 本気で○ヒを塗るとかありえないよ!!」
「あんな大変なもんなんだなぁ。いや、本気で反省してるよ」
「ホントだよ! 女の子にあんな事するとか!」
なんか、コイツに「女の子」とか言われると少し空々しさを感じるな……。
「本当に悪かったって。もう許してくれよ」
「だーめっ。ちゃんとお詫びが貰えるまで許さないよ」
お詫び? ちょっと嫌な予感がするが……。
そう考えた俺の前で、彰が目を閉じ、唇を突き出して言った。
「はい。お詫びのチュー、耕也からお願いね♪」
唇にム○(※真似しないでください)。
しまった。あまりにムカついてつい……。おぉ、また彰がビクビク暴れている……。
――さらに五分後――。
「さて、話を本筋に戻そう」
心なしか彰の唇が赤みを増している気がする。もしかして、○ヒって結構危ないものなんだろうか……。
彰が何か言いたそうにしていたが、コイツに任せると確実にまた話がそれるので、無視して進める。
「さっき頑張った限りでは、どうにも難しいという結論に辿り着いた。力を入れると崩れそうだし、正直お手上げという奴だ」
「うぅ。全部僕の締まりが良すぎるのが原因なんだね……」
いや、原因がお前というのは正しいが、もっと根本的な意味でだと思うぞ。
「というわけで、やはり病院に行くしかないんじゃあないか?」
彰の言葉を無視して言ってはみたが、絶対納得しないだろうなぁ。
「うぅ、やっぱり耕也はエロオヤジに犯されてほしいと思ってるんだ……」
まぁ、正直、一度それくらい痛い目に会って懲りるべきだとは思ってはいるが、口に出すのはやめておこう。
「む、待てよ……。もしかしたらこれでイケるんじゃないか?」
ふと、一つの考えが頭をよぎった。断言はできないが、試してみる価値はあるんじゃあなかろうか。
「え? 何何? もしかして耕也が口で吸い出してくれるの? それなら大歓迎だよ?」
「……えーっと、掃除機はどこだったかな、と……」
「掃除機!? ゴミ扱い?!」
まぁ、敢えて否定はしない。少なくともさっき、一瞬はモップだったのだしな。
「あったあった。待ってろ、今お前の要望にこたえてやる。」
「待って! それ、見るからに業務用だよね!? なんで一般家庭にそんな強力そうな奴が存在するの!?」
「狙いを定めて。スイッチオン――」
「痛い! 痛い! 無理無理無理無理! 違うものが吸い出されるーーー!!」
――またも五分後――。
「うーん、やっぱり無理だったか……。まぁ、俺の考えてた方法と違うしな」
「え? 僕、やられ損!?」
こうやって、都度都度痛い目を見せていけば、いずれはまともな人間になってくれるだろうか。まぁ、これまでの付き合いの結果がこれなのだから、あまり期待は出来んが。
「まぁ、ともかく、茶化すのは抑えておけ。その度にこんな騒ぎを起こしてると、全く話が進まん」
「耕也がスルーしてくれればいいだけだと思うんだけど……」
お前がボケなければそもそも何も問題が無いんだがな。と言いたいのをぐっと堪える俺は結構大人だと思う。
「ともかく、黙って話を聞け。ふと思ったんだがな。押し出す事は出来ないか?」
「押し出す?」
「うん、だからつまり、後ろの穴に何か入れたらその拍子に出てこないかなぁ……って……」
「………………」
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