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喫茶ま・ろんど

TSFというやや特殊なジャンルのお話を書くのを主目的としたブログです。18禁ですのでご注意を。物語は全てフィクションですが、ノンフィクションだったら良いなぁと常に考えております。転載その他の二次利用を希望する方は、メールにてご相談ください。

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ゆでたまっ!六個目 風邪の度に這うのか2

「さて。それじゃあ、薬を飲んで大人しくしてろ」
 耕也が、薬局の名前が書かれた紙袋を彰の傍に置く。
「うう、ありがとう。でも自力だとつらいから、耕也にしてもらっても良いかな」
「ああ、構わんぞ。ほら、起きられるか?」
 明らかに油断であった。いくら負い目があったとは言え、耕也は、あの彰の要望に対して安易に返事をしてしまったのだ。そしてその迂闊さは、耕也をすぐに後悔させる事となる。
「えーっと、薬は何錠飲めば……」
 薬袋を開いた耕也の動きが止まった。理由は簡単だ。
 座薬。
 見間違いではない。耕也の視線の先、袋の中には、確かに座薬しか入っていなかったのだ。
「なあ、彰、やっぱり自分で――」
「げほっ、げほっ。うう、駄目だ、起き上がると凄いしんどい……。やっぱり一人じゃ何も出来そうにないなぁ。でも、耕也が手伝ってくれるって言うから本当に助かるよ。助かるなあ。ああ、助かるなあ」
 突然さっきまでしてもいなかった咳をする彰の雰囲気に少々の胡散臭さを感じながらも、耕也は反論が出来ない。
「………………小春さん、代わりに――」
「私もなんだか熱が出て来たような気がしますわ。彰さんのが済んだら是非とも私にもお願いいたします」
「どあったったぁ!」
 今まさにパンツごとスカートを下ろさんとしていた小春の腕を慌てて止める。
「まあ、脱がして下さるんですか」
 そう言って小春が顔を赤らめる。
「ぬあー。ずーるーいー! 僕も脱がせ……げほっ、げほっ」
 彰が襲いかかろうとして咳き込む。どうやらこれは演技ではないらしい。
「っと、ほら、無理すんな。大人しくベッドに入ってろ」
 咳き込む彰の背中をさすりながら、耕也が横になるように促す。
 病人が優先されるとは言え、放置気味の扱いを受けている小春は少々寂しそうだ。その証拠か、頬を小さく膨らませ、拗ねている。
「うう、耕也が優しい……。この事実だけでオカズになる……」
 彰の右手がいつの間にかパジャマの中に突っ込まれている。
「もう一度言う。大人しく。ベッドに入ってろ」
「痛い痛い痛い痛い。こめかみは痛い」
 病気ゆえの気遣いで、耕也の一撃は普段よりはるかに軽い。そのため、彰の反応も実に余裕のあるものだった。
「これ以上痛い目を見たくなければ大人しく寝てろ。分かったな」
 と言う耕也の言葉に彰は答えない。
 数秒の時間をおいて、改めて彰に言い直そうと口を開いたその時、ようやく、彰が小さく呟いた。
「約束……。お薬……」
「う……。そ、それなんだがな、彰」
 座薬の入った袋に一瞬目をやり、耕也が気まずそうに口を開く。
「大丈夫ですわ、彰さん。耕也様はちゃんと約束してくれました。耕也様は嘘をつくような人ではありません。そんな事は私達が誰よりも知っているじゃあありませんか」
「え、い、いや」
「ごほっ。そうだよね。耕也は乱暴なところはあるけど、嘘だけは絶対付かないもんね」
「いや、その、なんというか」
「そうですとも。少しばかり性に対して消極的なところはありますが、耕也様は絶対に嘘だけはつきません」
 口を挟むのをためらっている間に話はどんどんと進む。耕也自身も気付いている。既に現状は手遅れだ、と。
「……分かった。俺も男だ。約束したからには座薬くらい入れてやるとも。さあ、彰。尻を出せ」
 耕也が覚悟を決めて座薬の袋を掴み取る。
「あ、待って、耕也。その前に」
「ん、どうした?」
 出鼻をくじかれ、耕也は戸惑いを見せる。
「座薬を入れたら安静にしなきゃいけないらしいんだ。だから、すぐに安静に出来るように準備しないと」
「準備……?」
 耕也の脳裏に嫌な予感がよぎる。具体的に何が、と浮かんではいないが、ただ、予感だけが駆け巡った。
「うん。こんな汗だらけじゃ体を冷やしちゃうからね。身体を拭いて服を替えないと」
「小春さん――」
 その言葉の意味するところを察し、素早く耕也がけん制する、が、それもまた既に手遅れだった。
「耕也様に座薬を入れてもらうなどという羨ましい姿を見せられるとなると、自分を抑える自信がありません。彰さんに迷惑をかけては申し訳ないので本日は帰ります。彰さんが元気になりましたら、私にもよろしくお願いいたします。小春」
 大急ぎで書いたのだろう。その書置きは、小春にしては珍しく乱雑に書きなぐられていた。
「小春ちゃんも優しいよねえ。あとで、録画したビデオだけでも……げふん、いや、まあ、ともかくお言葉に甘えさせてもらおうかな」
 後悔に顔をゆがませる耕也と対照的に、彰の表情は、病人とは思えないほどに生き生きとしていた。



「服、自力で脱げるか?」
 自力で脱げ、と言いたい衝動を抑え、耕也が質問する。
「えへへ、ちょっとしんどいかな。恥ずかしいけど脱がせてもらっても良い?」
 恥ずかしいけど。
 彰の口からは決して出そうにないその言葉に耕也は思った。これは重症だな、と。
「仕方ないな……。ほら、腕あげろ。取り合えず脱がすぞ」
 そう言って彰の後ろ側に回り込む。
 不意に、彰から汗の匂いを感じ取る。よくよく見れば、首筋付近の髪の毛が濡れている。それだけでも相当量の汗をかいている事が見て取れた。
「い、良いか、脱がすぞ」
 決して嫌いではない――むしろ好きな――彰の汗の匂いに、耕也は緊張して身を固くする。普段からもっと余程過激なところを見ている筈なのに、そんな事で興奮して緊張してしまう自分が、耕也は不思議に思う。
「どうしたの、耕也、そんな固くなって」
 やはり起き上がるとつらいのか、小さく息を乱しながら彰が聞いてきた。
「あ、い、いや。そんな事無いぞ。脱がすからじっとしてろって」
 そんな彰のつらさを察し、耕也は早く休めるようにしてやろうと急いで服を脱がしにかかる。
「嘘ばっかり、ガチガチじゃん。耕也ってば」
 彰が、ふふ、と小さく笑う。
「お、お前の考えすぎだ。ったく」
「そんな事言ってさ。もう、今にも出ちゃいそうじゃん」
「……出ちゃいそう?」
 ふと、噛み合っていない事に耕也が気付く。
「……彰、お前、何の話をしている?」
「決まってるじゃん。オチ」
「はい、上着脱いでー。ブラも外してー。下も脱いでー。パンツも脱いでー」
「うわ、うわわ!? わあわわわわ!」
 確かにそこを固くしていたのは事実だ。しかし彰は触りも見もせずにその事実をどうして認識したのか。大きな疑念を抱きつつ、耕也はあり得ないほどの手早さで彰を脱がせていった。
 上着、キャミソール、縄、ズボンと脱がせ、あとは下着一枚となったところで耕也の動きが止まる。
「む……」
「どしたの、耕也? 生理?」
「違う」
 彰の発言を普通に否定しつつ、耕也はやはり止まったままだ。
 耕也が動きを止めた理由は、実に簡単だった。彰の下着を脱がすのが気恥ずかしく感じたのだ。
 これまでの付き合いで、相当に大胆な経験を積んではきているが、それは全て、彰の方からアプローチしてのものだった。
 自分の手で自発的に彰の下着を脱がすという初めての状況に、耕也は珍しく緊張していた。
「うう、耕也。早くしないと冷えちゃうよう。下着が一番汗まみれなんだから」
「お、おお。す、すまん。今すぐ――ん?」
 彰の言葉に違和感を覚える。
「なんで下着が一番汗まみれになるんだ? 背中とかのがよっぽど汗かくだろ?」
「ちっちっちっ。耕也はお子様だなあ。女の子だけがかく、粘り気のある汗があるだろう。それの話をしているんだよ、僕は」
「それは汗じゃない」
「ぬひゃう!」
 それまでの緊張が嘘のような冷静な声音で、耕也が一気にパンツを引き脱がす。
 脱がした瞬間、下着と彰の股間との間で「くちゅ」と小さな水音が立ち、透明な糸が伸びるのが見えた。
 しかし当然のように、耕也は一切その事実に触れようとはしなかった。
「うし。それじゃあサクサク進めるぞ。拭いてやるから背中向けろ」
 耕也が、彰の額に乗せていた濡れタオルを持って構える。
「うん。初めてだから優しくしてね」
 彰の言葉に返事をせず、耕也は濡れタオルを勢いよく叩きつける。同時に、彰の背中でベチンという小気味のいい音が響き、うっすらと赤い痕だけが残った。
「ぐうぅ……。じ、地味に痛い」
「分かったら大人しくしてろ」
 彰はイエスともノーとも答えない。その事実に耕也は一抹の不安を覚える。
 しかし、拭いてやらない訳にもいかない。耕也は改めて、今度は優しく彰の背中にタオルを当てた。
「ひあうっ」
 彰の体がビクンと跳ねる。
「妙な声を出すな」
「だって、背中は性感帯なんだよう。勝手に体が反応しちゃっても仕方ないじゃん」
 背中を色っぽくくねらせるその姿に、耕也はドキリとする。
「す、すまん。しかし、お前が背中が弱いだなんて初めて聞いたぞ」
「そりゃあ言った事無いもん。とにかく、ちょっとした事で濡れちゃうんだから気をつけてよね」
「う、うむ」
 妙に偉そうな物言いの彰に対していまいち釈然としないものを感じながら、耕也は精いっぱい丁寧に彰の背中を拭く。
「ん……。くふ……っ。はぁ……。あうん……!」
 タオルが上下に動くたび、彰は身体をひねり、喉の奥から言葉を漏らす。ふだんのあけすけな彰と違う色っぽさに、耕也も興奮を抑える事に必死だ。
 一度は冷静さを取り戻して小さくなっていた股間も、そんな彰の姿に再び固さを復活させていた。
「んんんんん……くふぅ……!」
「……よし、終わったぞ、彰」
 なんとか平静な口調を装い耕也が喋る。
「ほら、次だ。腕出せ」
 山場を乗り切った安堵感から、耕也は強気を取り戻して彰の腕を掴んでタオルをあてがう。
「ひうん!」
 と、再び彰が妙な声を出す。
「ど、どうした? 痛かったか?」
「違うよう。腕も性感帯なんだってば。気を付けてよね」
「………………そうか。じゃあ、先に足を拭こう」
 このまま色っぽい声を出されては我慢が出来そうにないと感じた耕也は、彰の性感帯を言ったん避ける判断を取る。
「うはぅ……っ。足裏も性感帯だから」
「………………すまんな。じゃあふくらはぎを」
「ひゃい……っ。ふくらはぎもダメなの」
「………………じゃあ腹とか」
「くふ……ぅ。お腹もダメだよぅ」
「………………この全身性感帯がぁ!」
「うひゃあ!?」
 ついに我慢の限界に達した耕也が叫ぶ。
「そこもここもあそこもどこも性感帯で! 貴様に鈍感なところは無いのか!」
「眼球とか? なんて言っ」
「よし。じゃあ眼球から洗うぞ、顔を向けろ」
「ほへ?」
 彰が言葉の意味を理解するよりも早く、耕也の手にあるタオルが眼に触れる。
「ぬおぅ!? 目が! 目がぁ!」
 流石に加減はされているが、それでも、見開いた眼球に濡れタオルが触れる感触が気持ちの良いものである筈がない。彰は体調の悪さを忘れたかのように、両目を抑えて激しく悶えた。
 興奮による勢いの末の行為だったとはいえ、あまりに危険な行為に、我に返った耕也は素直に反省した。

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