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隼人が、股間からモノを抜かずに再び前後に動き出したのだ。
「へへ。二回目だから次はもう少しもつよ」
その言葉の意味を理解し、啓介は必死に首を左右に振って嫌悪感をアピールした。
しかし肝心の隼人は腰を振るのに夢中で、啓介の意思表示に全く気付いていないようだった。
もっとも、気付いた所で演技だと思われるだけだろうが。
股間を押し広げられる感覚。内臓を内側から突かれる感覚。
どれも快楽からは程遠く、啓介はただひたすらに早く終わってほしいとだけ願っていた。
「あー。でもよく考えたら失敗だったかなぁ。いきなり中に出しちゃったから、舐められなくなっちまったわ」
啓介に言っているのか、それとも単なる独り言なのか。分からなかったが、舐められなくて済むのだという事実は、少しだけ啓介をほっとさせた。
「う……。駄目だ、またイク……!」
直後に、隼人の腰の動きが止まった。そして、先程と同じように腹の中に精液の感触を感じ取り、啓介は気持ちの悪さに小さく呻きを上げながら身をよじった。
「ふぅ……。いやぁ、君の中、キツいね。もっと遊んでるかと思ったけど、びっくりだわ」
遊んでいるどころか、これが啓介にとっては初体験になるのだ。女性としての、だが。
「流石に二回出すと疲れるな。ちょっとシャワー借りるから待っててね」
そう言って隼人は立ち上がった。
啓介は、その間になんとか状況を打開する方法を考えようとした。しかし――。
「シャワー行ってる間はコイツに頑張ってもらうから安心してね」
隼人が床のバッグから取り出したのはピンクローターだった。既に電池を入れてあったのか、それはスイッチをひねるだけで、簡単に振動を始めた。
その振動が意味するところを理解した啓介は、これまでと同じようにワンパターンに首を振って抵抗の意思を示したが、やはり、何の効果もあげることはできなかった。
隼人は、ローターにガムテープを張り付けると、啓介のクリトリスの辺りに狙いを定め、無配慮にそれを押しあてた。
「んんぐぅ!?」
一瞬、想像以上の強い刺激に、啓介はひときわ大きな呻きを上げた。
口のガムテープが無ければ、すぐにはずせと叫んでいた事だろう。それほどまでにクリトリスへの刺激は強く、女になったばかりの啓介には耐えがたいものだった。
「じゃ、行ってくるから、楽しんでて」
隼人がバスルームへと消えていったが、啓介には、その声も耳に入っていなかった。啓介は、股間に響く刺激に耐えることに精いっぱいで、他の事に意識を向ける余裕がなくなっていたのだ。
やがて、刺激の強さに苦しさを感じていただけの啓介に変化が訪れた。
それまでは、うぐうぐとガムテープ越しに呻きを上げていたのに、徐々にその声が喘ぎ声へと変わっていったのだ。
隼人に乱暴に抱かれている時は嫌悪感しか感じていなかった。しかし、徐々に刺激に慣れてきた啓介は、ローターの的確な振動に、気持ちよさを感じるようになっていた。
正直啓介は、自分が気持よくなっているという事実を認めたくなかった。
それを認めると、身も心も女になってしまい、男に戻れなくなってしまうような気がしたからだ。
しかし、いくらそう思おうとも、ローターの刺激は確実に快楽を伝えてきた。
啓介の意思に反して体は時たまビクンと震え、体は火照り、表面にじっとりと汗を浮かべていた。
喘ぎ声が漏れそうになるのをじっと堪えようとしたが、それすらも叶わず、喉の奥から小さな呻きが自然と漏れ出していた。
体の表面に浮いていた汗は見る間に大粒の珠になり、呼吸も確実に荒くなっていた。
やがて、ひときわ大きな快楽の波が啓介を襲った。その刺激に耐え切れず、啓介は呼吸を止めながらどうにかほんの少しだけ体をのけぞらせ、快楽に耐えようとした。
そうして、快楽の波が引いた時、自分が女としてイってしまったのだという事実に気付き、気持ちを沈ませた。
相手が人間であれば、その啓介の動きに満足して刺激を止めてくれたかもしれない。しかし、実際に今啓介を責め立てているローターは、啓介がイった事など意に介さずに同じように刺激を与え続けてきた。
そして、一度イったためだろうか。一層敏感になっていた啓介は、気持ちを落ち着ける間もなく再び快楽の波に襲われ、先程よりも簡単にイくようになっていた。
イっては体をのけぞらせ、休む間もなくまたすぐにイき。頭の中でもう止めてほしいと願いながら、啓介は数え切れないほどにイってしまった。
不意に、ローターの刺激が消えた。
気付かなかったが、いつの間にか隼人がシャワーを浴び終わっていたのだ。
「うわ。びちょびちょじゃん。ガムテープはがれかけてるし。そんな気持ちよかったの?」
啓介は、一切反応しなかった。
ローターをクリトリスから離されてしまった事をもどかしく思っている自分を認めたくなかったのだ。
「まぁ、こんだけ濡れてれば聞かなくても分かるけどさ。ねぇ、入れてほしい?」
シャワーを浴びている間に復活したのか、隼人は股間の物を握りながら啓介に質問を投げかけた。
「欲しければ入れてあげるよ。どうする?」
少し前までだったら、決して首を縦には振らなかっただろう。
しかし、ローターをはずされ悶々としていた啓介は、ほんの数秒悩んだ後、屈辱だとは思いながらも、ゆっくりと首を縦に振った。
「んー……。やっぱアレだなぁ。ちゃんと言ってもらいたいわ」
啓介の口元にゆっくりと隼人の手が伸びてくる。そして、口をふさいでいたガムテープを乱雑に引き剥がされると、啓介は再び耳元で呟かれた。
「さ、もう一回。今度はちゃんと言葉で言ってよ」
欲求に負けて一度は首を縦に振った啓介だったが、隼人のその言葉に怒りを取り戻した。
「……ざ……けんな。調子……乗って……」
乱れた呼吸で、ようやく途切れ途切れに悪態をつく。しかし、それが逆に隼人を喜ばせる結果になってしまった。
「あ、ゴメンゴメン。そういうシチュだったよね」
全く状況を把握していない隼人の笑顔が、啓介には憎たらしくて仕方がなかった。
「違……っ! うあぁ……!」
改めて、自由になった口で不満を言おうとした啓介だったが、それよりも早く隼人が侵入してきた。
ローターですっかりほぐれていた事と、一度目と違いゆっくり挿入されたことで、啓介は不本意ながらも快感に身を震わせていた。
「あー。中、さっきより熱いわぁ。体は正直ってやつだね」
「うる……せ……。早く抜……むぐ!?」
悪態を突こうとした啓介の口が、隼人の口で塞がれた。
啓介は、男とのファーストキスに嫌悪感を覚え、侵入してきた舌の一つも噛んでやろうと思った。しかし、股間から伝わってくる快楽に頭がぼうっとし、力が入らずに、その願いも叶わなかった。
もし、この時両手足が自由になっていたら、隼人を振りほどいて逃げる事ができただろうか。
恐らく、状況を受け入れ、快楽に身を委ねていたのではないだろうか。
啓介の体に伝わる快楽は、それほどまでに抗いがたいものだった。
事実、隼人の唇が離れても、もう啓介は抵抗の言葉を口にしなかった。ただあーあーと喘ぎ声をあげ、すっかり快楽に身を委ねるようになっていた。
「あー。やば……。ホント名器だわ。三回目なのにもう……」
直後に、啓介の腹の中に生温かい感触が広がった。
「うぁ……。やめ……」
啓介は、反射的にそう呟きはしたが、本心では違っていた。
それまでの「早く終わってほしい」から、いつの間にか「もう終わってしまった」へと変化していたのだ。
「ふぅ。流石に立て続けに三回は疲れたわ。……っと、やべ。もうこんな時間じゃん」
言われて啓介は、頭だけを動かし壁の時計に目をやった。
「まだやり足りないけど……約束の時間だから仕方ないか。んじゃ、誠によろしく言っといて」
そう言って隼人は手早く服を着直した。
「じゃ、気持ちよかったよ。ありがと」
そう言って玄関から出ていく隼人を、啓介はただ、ぼうっと眺めていた。
やがて、ようやく呼吸が整いだした頃、再び玄関の扉が開いた。
そこには、女物の服を買いそろえて来たらしい誠の姿があった。
「うぉ。派手にやられたなぁ。ま、自業自得だからな。ちっとはこれで懲りたか?」
悪びれた様子も無いのは、自分が啓介に酷い目にあわされたからだろうか。
「ほれ、お前の分も服買ってきたから、帰る時持ってけよ。あ、金は払ってもらうけどな」
言いながらベッド脇に紙袋を置き、ベッドと腕をくくりつけている紐に手を伸ばして来た。
「ともかく一か月、女として生活するしかないからな。面倒だろうけど――」
「なぁ、誠……」
「ん?」
「一生女でいるには、薬、何錠あれば大丈夫かなぁ」
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え? あれ? 啓介くん、女の子の快感に目覚めちゃった。
さあもう後戻りできないよ。
というわけでゴチになりました。
もあ | URL | 2009-06-19(Fri)19:01 [編集]
>もあさん
コメントありがとうございます。
なんだか目覚めてしまいましたw
やはり、誠とは正反対の所に落着した方が面白いかなぁ、と思ってこんな事になってしまいましたw
まろんど | URL | 2009-06-19(Fri)22:02 [編集]
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