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喫茶ま・ろんど

TSFというやや特殊なジャンルのお話を書くのを主目的としたブログです。18禁ですのでご注意を。物語は全てフィクションですが、ノンフィクションだったら良いなぁと常に考えております。転載その他の二次利用を希望する方は、メールにてご相談ください。

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女渡り1

「ん、よし、入った」
 その呟きに周りの人間が一斉に意識を向ける。ラッシュアワーで押され潰され、体力を奪われているサラリーマン達の中に頭一つ小さく埋もれている女だ。
「うわったった。ヒール高ぇな。危ね」
 その声が聞こえる周りの人間は、脱げた靴を履き直したのか、と「入った」の意味を補完するが、なんとなくしっくりこないのか、意識を離さない。
「ん? 何見てんだよ。おい」
 見た目通りとも言える。にしても男勝りすぎるようにも思える。ともかく、体のラインが丸分かりの、時代遅れのボディコンめいた服装のその女は、頭だけを左右に振りながら、自分に集まる視線に対して睨みをぶつけた。
 誰も謝らない。ただ、その女に関わるのが面倒だとだけ察知し、一斉に視線を逸らす。
 辺りには、気まずい空気だけが残った。
 やがて、到着駅のアナウンスが流れ、ブレーキ音が車内に響く。そして、ゆっくりと止まり、ドアが開く。
 オフィス街だ。この時間、乗る人間は幾らでも居るが、降りる人間などほとんどいない。居るとすれば、未だ帰れない仕事一筋のビジネスマンだ。
「あ、降ります。降りまーす」
 そこに、先程のボディコン女が声を張ったものだから、先程以上に視線が集まることとなった。
 女は、今回の視線に対しては一切無視を決め込み、出口に向かう。その強引な降り方に、ドア付近に居たサラリーマンが二人ほど、電車の外に押し出された。
「あ、ごめんなさいねー」
 と、二人の方を見ずに口だけで謝り、階段に向かっていく。二人のサラリーマンは、訝しそうに顔を歪めつつも、女が視界から消えるのと同時に、不快さを忘れて電車に乗り込んだ。



「あー。降りる駅間違えたかなあ。誰も居ないわ」
 正確には駅員が何人か視界には居るが、それは、女の望む相手ではないらしい。
「失敗したなぁ。仕方ねぇ。別の奴に入り直……お、居るじゃん。あいつで良いか」
 視線の先に、ようやく残業が終わったのか、疲れた顔で改札を通ろうとするスーツ姿を確認する。
「なあ、あんた」
 ぶっきらぼうな声に、男がいら立った表情を見せる。が、それが一瞬で消える。
「良かったらで良いんだけどさ。遊ばない?」
 人目が気にならないのか、女は上着を乱暴にはだけさせている。ブラごと乱暴に手で引き下ろしているため、胸が丸見えだ。
「え、あ、な……」
 何が何だか分からず、男は返事に詰まる。
「別にお金が欲しいとかじゃないからさ。嫌なら良いんだけど」
 男は返事をしない。が、首を一回だけ縦に振る。それが返答だった。
「良かった。じゃ……早速そこで……しよ?」
 構内のトイレに女が視線を向ける。そして、男の返事を待たずに、腕を引っ張りトイレへと消えていった。



 本来一人用の個室であるため、当たり前のように狭い。しかし、女はそんなことはどうでも良いという様子であるし、男はそれどころではないといった様子だ。
「ね、触ってくれる?」
 男の手を掴んで、股間へ導く。男は黙って鼻息を荒くしている。
「ん……」
 下着越しに指が触れた瞬間、女が小さく呻く。そして、無言になる。トイレの中には、二人の呼吸音と、布の擦れる音だけが響く。
 やがて、下着越しに、粘りのある水音が混じるようになると、それに合わせて女の呼吸も荒さを増して来る。
「ん……あ……上……手」
 天井を見ながら女が呟く。
 不意に、下着の脇から男の指が滑りこむ。
「あ……!」
 指は、水音を立てながら、何の抵抗もなく根元まで入って行った。
「凄い濡れてる。感じやすいんですね」
 気が落ち着いてきたのか、男が冷静なふうに口を開く。
「ん……。だって、上手だから……ん……」
 女が話す間も、男の指はゆっくりと出入りを繰り返す。その動きに合わせるように、女の腰が力なく震えた。
「ね、もっと激しく……。イキそう……だから……」
 言いながら女が、その腕を男の首に絡める。男は、返事の代わりにと、差しこんでいる指を二本に増やし、一気に激しさを上げた。
「あ、すご……あ、ああっ。あ……!」
 女は、口の端からよだれを垂らす。そして、男に絡めた腕に力を込めたかと思うと、背筋をグンと伸ばし、一気に力を抜いた。
「あ……はあ……良かった……」
 肺に溜めこんでいた息をゆっくりと吐き出しながら女が呼吸を落ち着ける。
「ね……今度は……気持ち良くなりたい……でしょ?」
 女は下着を膝辺りまで下げ、男に尻を向ける。短すぎるスカートはいつの間にかまくれ上がっており、尻が丸見えだ。
「生で良いから、入れて……」
 女が言った時には、男はすでにパンツまで脱ぎ、大きく膨らんだ股間のモノを女に向けて構えていた。
 そして、右手で女の腰を掴み、左手で自分のモノを掴んで女の股間に持って行く。
 その瞬間、女の体から不意に力が抜けた。頭をうなだれさせ、傍目には唐突に意識を失ったようにも見える。
 その直後だった。
「え……? ひぃ……が!」
 男が挿入する。先程一度絶頂に達しているため、すんなりと入っていった。
「いやあ! 何!? 何!? 誰!? 抜いてぇ!」
 まるで別人のように女が暴れ出す。
「なっ、ちょっ、今更何言って……!」
 駅員にも届きそうな声で叫ぶ女に、男がひどく戸惑う。
「ん! んー! んー!」
 そんな状況でも男は腰の動きを止めようとせず、むしろ冷静に女の口を左の手でふさぐ。
「黙って下さいって……。黙って……」
 女の目に涙が浮かぶ。
「気が変わったなら……すぐ……終わらせます……から」
「んん!? んー!」
 終わらせる、という言葉の意味を察し、女が最大の抵抗を試みる。しかし、抵抗の甲斐なく男との結合が外れることはなかった。
 男が腰をひと際激しく打ち付け、その動きを止めると同時に、涙が頬を伝った。女は、力なく首を左右に何度も振って、その場に崩れ落ちた。

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