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まさか武器が全滅とは。
残っているのが蜂蜜の空ボトルだけとはな。彰がすべて使ってしまったという事か。
「蜂蜜……? 彰さんが全部飲んでしまわれたのですか? 胃もたれしそうですわねぇ……」
真実は言うまい。
「仕方ない。他に武器になりそうなものを探そう。部屋や荷物をあされば何か見つかるかもしれない」
冷蔵庫は……コーラくらいしか入ってないか。半分ぐらい飲んでおけば、間接キスだとでも言って囮に使えるかもしれんな。一応持っていくか。
後は荷物か。着替えにトランプ、それから、ガムやら何やらの細かいお菓子と……。
「何故、尻穴専科の新刊が……」
彰……。いつの間にこんなものを忍ばせたんだ。
「耕也様?」
「あ、こ、小春さん! いや、これはその」
やばい。これを見られるのは色々とやばい。
「サプライズプレゼントのつもりでしたが……。お気に召しませんでしたか?」
おおぅ。予想外だ。
「先日耕也様の家を探索した際に見つけましたので、好きなのかと思ったのですが」
いえいえ。時と場合っていうモノがありましてね。いや、そもそもなんで探索してるんだっていう話なんだけど。
「やはり本物で無くては無意味ですのね。しばしお待ち下しませ」
待ちません。頼むから下着に手をかけないで。
「いや、あのね、小春さん……」
「あっ。そうですわよね。私ったらこの状況で……」
うむ。分かってもらえてなによりだ。
「この状況で自分で脱ぐなどと愚行を……。さぁ、耕也様、お願いいたしますわ」
……と一瞬でも思った自分の甘さが嫌になるなぁ。
「いや、だから、ね。彰の件があるからさ」
あ、しまった。
「分かりました! では、彰さんの件が落ち着いたら是非!」
……だよなぁ。言い方間違えたわ……。
ふぅ。武器になりそうなのはジュースと菓子類くらいか。
飲みかけ食いかけを彰に投げつけてどの程度時間が稼げるか……。
使用済みの下着でもあればもう少しマシだったんだがなぁ……。あれ?
「なんで下着が無いんだ?」
「………………」
目を逸らされた……。確定だな。
「後で返して下さいね。小春さん」
「……はい」
やっぱり彰と同類だなぁ。小春さんって。
待てよ。同類と言えば……。
「正直意外だったよ」
「え? 何がですの?」
「いやぁ、小春さんの事だから、てっきり彰と協力して俺に向かってくるかと思ってたからさ」
「………………」
「それが、彰から逃れるためにこうして手伝っ……て……あの、小春さん?」
やばい。嫌な予感が沸いてきた。
「そうですわよね。なんだか彰さんの様子が尋常でないので、ついつい耕也様と一緒に逃げておりましたけど。冷静に考えれば逆ですわよね」
うむ。今確信に変わりましたです。はい。
「彰さーん! 耕也様はここですわー!!!」
がしっ。
うお!?
「こ、小春さん! 今はシャレで済まないから!」
り、両腕が……身動きとれん! いや、それ以上に……せ、背中に小春さんの胸が……!
「うふふ。耕也様の髪の毛、良い匂いですわ。ほのかに感じる汗の雰囲気が実に男らしくて」
いかん、トリップしてる……。この妙なパワーはそのせいか?
「首筋も……。あぁ。汗の味が素敵ですわ」
ぬおぁ。首筋にヌラリとした感触が……。ち、力抜ける。このままでは……。
ばんっ。
「まさか自分の部屋に戻っているとは盲点だったよ! 小春ちゃんありがとう!」
ぬぁぁぁぁ……! さ、最悪の事態だ。このままでは俺の貞操どころか処女が危ない。
……ってあれ? ちょっと待てよ。
「彰さん、口調が戻っておりますわ! どうされましたの?」
うむ。俺もそこが疑問だぞ。
「ふふふ。耕也の裸踊りを見て冷静さを取り戻したのさ。もう僕の前には敵はいないよ!」
いや、踊って無いぞ。俺は。
「耕也は……居たのさ。視線の先には、僕の妄想によって具現化された裸の耕也が……確かに居たんだよ!」
いや。まァ、お前がそれで良いなら……。いや、良くないな、うん。
「……っ! ……彰さんのおっしゃる通りですわ。願えばどこにでも現れるのに。それなのに私は、裸の耕也様はいらっしゃらないと勝手に決め付けて妄想する事を放棄してしまっていた。なんという……なんという未熟!」
ぇぇー。そっかぁ。俺って少数派なんだぁ。知らなかったわぁ。
……む? ショックを受けてるせいか? 小春さんの拘束が緩んだ。チャンスだ! 小春さんにこの手を使うのは気が引けるが……止むを得ん……!
「小春さん、ゴメン!」
ていっ。下着越しにムヒ。
「ひゃうあ!?」
よし! 振りほどけた!
「こ、股間が……股間がスースーと……。なんですの、この世界は……。あぁ……あ、新しい……」
うぅ。なんかすごい罪悪感が……。彰と同じ変態の筈なのに、なんでだろう……。
まぁ、ともかくあとは彰さえ攻略出来れば!
「ココかい!? 小春ちゃん! 耕也の寵愛を受けたのは! あぁ、羨ましい! せめておこぼれだけでも!」
「ひひゃあ! あ、彰さん、駄目です。舐めないで下さいましぃ!」
……攻略出来たようだな。
さて、と。どこに逃げるべきか……。理想は人通りの多いホテルの外なんだが、謹慎の身としては避けたい選択肢だ。
男子トイレか大浴場に逃げ――た所であの二人がためらう筈は無いしなぁ。逆に逃げ場がなくてピンチというものだろう。
――いや、待てよ。
逃げ場がない……という事は、二人も真正面から襲ってくるしか手が無いという事になるな。逆に待ち伏せをするには良いのかもしれない。
……問題は撃退方法か。今の彰は一撃で仕留めなくては確実に手痛い反撃を食らうだろう。
今手元にある武器は、○ヒ、蜂蜜ボトル、コーラ、菓子類、か……。
これだけでどうやって……いや、待てよ。これならいけるかもしれない……!
となると決戦の場所は――。
「大浴場、か」
彰くんが小春ちゃんの股間に顔を突っ込んでる。
彰x小春のユリユリ世界が……
ピッ「妄想モードON」
……うは ご馳走様でした。
そして これ大浴場じゃなくて銭湯だったら
まさに銭湯で戦闘開始だったんだけど。
ベタ過ぎますねぇ。
もあ | URL | 2009-06-25(Thu)22:00 [編集]
>もあさん
コメントありがとうございます。
いずれ、百合展開ももっと濃厚に書きたいところですねぇ。
この二人のプレイがまともであるとは到底思えないのが正直なところではございますが……。
銭湯で戦闘……。
いつの日か使わせていただくかもしれません(ぇ
まろんど | URL | 2009-06-26(Fri)20:30 [編集]
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